Gくんの場合
将来の夢や希望って、
みんなどうやって見つけるの?
子どもの頃からゲームは好きだけど、他に好きなことや得意なこともない。将来の夢や目標を聞かれると、正直、よく分からない。見つけたいとは思うけど、ゲームをして楽しく過ごすのが楽だから、真剣に考えるのは面倒くさい。
フレックスVコースの週3スタイルを選んだ理由も、週3日の通学なら、家でゲームをする時間がたっぷり取れるかなと思ってなんとなくって感じ。みんなどうやって、夢や目標を見つけるのかなぁ…。
オリエンテーションで「自分」を知る
入学してすぐに科目履修のオリエンテーションがあった。「オンデマンド学習はやりたいことや将来の目標に応じて科目履修を決められる」って説明されたけど、僕はまだ何も決まっていないので、先生に相談して「標準的なモデル」を選んだ。「選択学習」についての説明もあった。「大学受験講座」は難しそうだし、大学に行くかどうかまだ決めてないので、ちょっと迷う。先生に相談したら、いろんなことを質問された。「小さい頃はどんな子どもだった?」とか「何をしているときに喜びを感じる?」とか、聞かれて意外だったなぁ。そんなこと考えたこともなかった。先生との面談で分かったのは、自分が「好きなことには熱中できるタイプ」ってことと、「人に喜んでもらうことが好き」ってこと。他人とかかわるのがあんまり好きじゃないと思ってたけど、いわれてみると、人とかかわる時間が欲しいから、通学型の週3スタイルを選んだんだと思う。ゲームに関連することなら興味を持てるかも、と考えて、まずは選択学習の時間に「ライフイズテックレッスン」のプログラミング学習を始めてみることにした。
学校だと集中して勉強が進む
週3日、学校に行って、時間割通りに授業を受ける。朝のホームルームの時間では「単位を取るための動画視聴が進んでいるか」「レポートは進めているか」って先生に口酸っぱく言われるから、ちゃんとやってる。選択学習の時間にプログラミングだけじゃ飽きるので、動画視聴とプログラミング学習を、時間を決めてやっている。家だとすぐだらけちゃうけど、学校だと集中できて勉強が進む。
放送映像部で本格的な動画制作!
学校生活に慣れてきて、部活動に入った。放送映像部はアナウンス部門と映像制作部門があって、僕は映像を中心に。先輩たちは本格的な4Kカメラでほかの部活の映像を撮りに連れていってくれたり、部室のMacで編集する方法を教えてくれたりする。新入生は全日制と通信制を合わせて4人。こじんまりした活動だけど面白い。全日制の先輩たちから「通信制の後輩が入ってくれてうれしい」ってよく言われる。西大寺地域の活性化動画を撮りたいけど、平日の午前中しか撮影に応じてもらえないお店もあって、先輩たちは授業を休めないけど、僕ら通信制の生徒はけっこう自由に動けるからだ。同じ通信制のC君と2人で西大寺のカフェに取材しに行くことにした。アポイントの電話をして、取材原稿を作って、映像の絵コンテを作って…と本格的だ。当たり前にやっている先輩たち、かっこいいな~。放送映像部はいろんなコンテストにも応募していて、今年は先輩たちと合作で「Youtube甲子園」にエントリーする!
苦手な国語を「大学受験講座」で勉強
オンデマンド学習の進捗とレポートの提出の状況を、三者懇談で、親と一緒に確認した。改めて見ると、好きな科目ばっかりやってしまっているので、他の科目もバランスよくやらなきゃ。7月に受けた模擬試験の結果も見せてもらう。英語、数学の授業は登校日の授業を真面目に聞いているのでけっこう良い結果だった。国語は、授業を受けていないので、悪くても仕方ない。先生から「国語だけでも、大学受験講座の動画をやってみたら?」と提案された。国語は自分で勉強してもイマイチ分からないし。長文問題を解くポイントもよく分からないから、やってみようかな。オンデマンドの学習webサイトから「大学受験講座」→「国語」→「現代の国語」を選んだら動画が始まった。問題のPDFもダウンロードできるし、これなら勉強できるかも。
アルバイトを始めて規則正しい生活に
高校1年の終わり。単位認定のテストはバッチリだった! 春休みは平日の授業がない。オンデマンド学習は24時間いつでもできるから、アルバイトを始めようかな。先生にアルバイトの面接指導をしてもらって、一発で合格! お店の人に「春休みが終わってからも働いてほしい」と言われた。平日の午前中にアルバイトできる人は貴重なんだって。親に相談したら「登校する週3日をサボらないこと、授業動画の視聴とレポートの提出を続けて頑張ること」を条件に認めてもらえた。アルバイトは、家の近くのレストラン。子どもの頃から家族で食べに行っていたお店で働けるってうれしい! ランチタイム終わりまで働いて、登校して部活、夜7時くらいに帰宅。アルバイトを始めてから規則正しい生活になって、体調が良くなった気がする。お店の人から「接客が上手くなってる」とほめてもらって自信がついた。
デジハリの基礎コンテンツを高校で学ぶ!
高校3年生になって、理系の科目を中心に履修することにした。英語・数学・理科・情報が特に楽しい。ライフイズテックレッスンのコンテンツは1年生で全部終えたので、「デジタルハリウッドアカデミー(デジハリ)」のプログラミング学習にも挑戦することにした。デジタルハリウッド大学は、CGやプログラミング、映像制作、ゲーム開発、アニメなどのデジタルコンテンツを学べる。大学入学時に学ぶ基礎コンテンツが、岡山学芸館高校ではオンデマンドで勉強できるんだって。1年生のときに頑張って勉強したので、デジハリの内容がすんなり頭に入ってくる。プログラミング言語の「Python」のコードも読めるようになってきた。
父も参加してオンラインで三者懇談
高校3年の三者懇談。珍しく「同席したい」と言う父の都合に合わせて、先生がオンラインの三者懇談を設定してくれた。僕は高校卒業後も情報系の勉強がしたい。でも全日制の生徒みたいに全科目に力を入れてきてないから、大学は無理かなと思ったけど、先生がいろんな大学の募集要項を用意してくれた。英語や数学、情報などで受験できる大学もたくさんあるらしい。それに、僕がやってきたプログラミングや映像制作のデジタルスキルを評価してくれる総合型選抜の入試があるって聞いて、これなら自信があるし、いけそうな気がした!
受験戦略シートに従って着実に準備
第一志望の大学のオープンキャンパスに行く。僕にめちゃくちゃ合っていると感じた。大学卒業後の就職の実績を見ると、有名なIT系企業やゲームアプリの開発企業の名前もある。この大学の合格に向けた「受験戦略シート」を先生が作ってくれた。一番自信のあるデジタルスキルを測る総合型選抜しかチャンスがないと思っていたけれど、推薦入試の中には、英語検定を持っていれば数学の試験と面接で受験できる大学もあるみたいだ。ここからやるべきことが明確になってきた! 高校3年の早い時期に英語検定の資格を取り終えよう! そして、高校3年生から週5スタイルに変更した。英検の面接練習もしたいし、志望理由の添削や受験の面接練習もしやすいからだ。第一志望の大学は9月出願だけど、7月には志望理由書が固まった。情報を専門にする先生が添削を担当してくれて、すごく細かいところまで指導してくれるのがありがたい。出願が無事に終わって、いよいよ志望理由書とプログラミングデータの口頭試問型の面接練習。接客のアルバイトで鍛えられたので、自分の考えをもとに話をするのは得意だ。先生も「話の間や言葉の選び方が上手だ」とほめてくれた。あとは、将来のやりたいことについて、熱意をもって話ができるといいな。
合格や奨学金を自分で勝ち取った自信
11月初め、合格発表。やったー、合格だ! 大学生になれる! でも先生から12月にある公募制推薦の入試を勧められる。12月の試験に上位で合格すると、スカラシップ生として奨学金が、もらえるらしい。過去問もだいぶこなしてきたから、受けてもいいかも。点数が取れなくても、総合型選抜の合格がなくなるわけではないし。そして、12月の試験にも合格! 奨学金も得られる! 親も喜んでくれた! 最後まで頑張って良かった! 自分で合格や奨学金を勝ち取った自信がついた気がする。なんとなく選んだ岡山学芸館だったし、なんとなく通信制、なんとなく週3を選んだけど、いろんな体験ができて、スキルも身についた。充実した3年間だったなぁ。